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紅葉の白神山地へサイクリング



●序文

2020年10月27日、天候晴れ曇リ後晴れ一時雨。
北秋田から白神山地を経由して日本海側までサイクリングした。
目当てにしていた道は次の2つ。

①県道317号:西目屋二ツ井線、白神山地の東部を通る道
②県道28号:岩崎西目屋弘前線、白神山地の北部を通る道

いずれも酷道で一部ダートを含むが、白神山地へのアクセスルートのため景色は良い。
今回のサイクリングは写真が多くなったので前後編に分割する。

[前編リンク]
白神山地サイクリング ~前編~


●経路・行程概説



[諸表]

  • 経路総長:126km
  • 累積登坂:2,372m
  • 未舗装区間:約46km

[道路名称]

  • ~~~~記事前編~~~~
  • スタート:JR鷹ノ巣駅
  • 国道7号~二ツ井
  • 県道322号~藤里
  • 県道317号~釣瓶落峠※1
  • 県道317号~美山湖
  • ~~~~記事後編~~~~
  • 県道28号~白神ライン※2
  • 県道28号~岩崎
  • 国道101号~JR十二湖駅
  • ゴール:JR十二湖駅

※1,2の区間はそれぞれ約6km,40km未舗装区間を含む。
 且つ白神ラインは電波弱のため補修品・工具携行を推奨。  なお、熊は珍しくないので鈴やラジオがあると多少安心。

●行程記録

●美山湖から県道28号”白神ライン”の入り口、暗門へ

北秋田から釣瓶落峠を越えて西目屋まで来た。
ここまで自販機含めて補給できる区間が無かった。ビジターセンターで昼食をとる。
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・・・これから白神ラインを控えているが、既にメカは泥だらけだな。
劣悪な環境でも動くシマノを信じよう。


●株式会社カネミツタザワで昼食

ビジターセンターの向かいに直売所のような株式会社があった。
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白神リンゴラーメン。シンプルで美味しい。
麺にリンゴが練り込んであるというが、正直風味に気付かなかった。

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津軽の昆布巻き握り飯。
補給食に3つ購入。塩分量がえげつないけど運動中の体が欲する味だ。


●公称42kmダートの白神ラインを行く

昼食をとり、補給食も手に入ったところで白神ラインへ入る。
この先42kmは砂利道とあるが、全線フラットダートで走破難度は高くない。
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県道28号ダート区間の図
暗門から3つ、津軽峠、天狗峠および一ツ森峠(白神岳展望所付近)の峠がある。
基本的に平坦は無いと思えば良い。それでは出発。

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津軽峠まではバスが往来できる程度に道は良い。

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レンタカーで保険が効かない白神ライン。
整備中とあるけど舗装化を検討しているのだろうか?


●暗門~津軽峠

晴れていた暗門を出ると結構強い通り雨に遭った。
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この日は紅葉シーズンのためか往来する車が多かった。
デカいエンジン音が聞こえて振り返ると市民バスが通り抜けていった。
この狭隘路を通り抜ける運転士の腕に関心した。


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岩崎(日本海側)まで49km。まだ海は遠いな。

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1つ目の峠、津軽峠に到着。バス停前で記念撮影。
それにしても弘南バスの営業領域は広いな。ここならマイクロバスでもよかろうに...


●津軽峠から赤石川まで

津軽峠から先、細かい雨雲群は東へ抜けて晴れてきた。
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路面は砂利というより泥。フルマッドガードが大活躍。

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紅葉は一部落葉しているが十分綺麗。

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カエデの紅葉も良いけど、明るいブナ林も良いものだ。
「ブナ」はPC変換で「橅」が出ないな。iPhoneは出る。さすがだ。
嘘か本当か、「何の役にも立たない用の木」→「木」→「」の当て字らしい。


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役に立たないというブナ。
木材としては重い&乾燥で曲がる&腐りやすいため、せいぜい薪にしかならないという。
面白い利用例として樹液からとった酵母でビールができるという。実際これはうまかった。


●鯵ヶ沢方面への分岐路

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岩崎方面or鯵ヶ沢方面のT字路看板
鯵ヶ沢方面はめったに通行可能にならないんだよな。

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おいおいマジか!開いてんじゃん!
新幹線の予約さえなければこっちへ行ったな...
次、ここが開いているときは熊の湯温泉に行こう。

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津軽峠を下った先の最下点、赤石川の橋を渡る。
橋を渡った先のトイレに寄ったがカメムシだらけだった。

今年はカメムシが多いから雪が多くなると地元民が言っていたが、
最近(冬)のニュースを見ると日本海側は確かにそうなったな...
バタフライ効果的な何等かの因果がありそうだ。
各地で地場のジンクスを拾うのも面白いな。


●赤石川から天狗峠へ

赤石川のから、二つ目のピーク天狗峠へ登り返す。
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路面は変わらずフラットダート。
乗り心地はともかくロードの25cでも走れそうだ。

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白神ラインは峠の頂上を含めて、遠くまで景色が開けている場所が少ない。
県道317号にあった釣瓶落峠のようなクライマックス的な場所はない。
だがまあ、森の中を走っている感じがあるので、これはこれで良いな。

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この辺りは比較的遠くまで見通せた。
少し陽が傾いて山肌の赤味が増してきた。

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今回はアラヤMFBに比較的軽装で走った。
年初にペンタックスKPを壊してから、キャノンのコンデジ一本になってるが、
パワーショットG9 iiとLightroomでほぼ撮りたいものは撮れてしまう。
それでもやっぱりOVFが欲しい。


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二つ目のピーク、天狗峠に到着。
写真を撮りながら相当なスローペースで来ているが、残す峠はあと一個。
何とか日没前に日本海に出られそうだ。


●天狗峠から一ツ森峠

天狗峠を越えると見事な紅葉に染まる山肌が見えた。
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さっき白神ラインは眺望良くないって書いてたかもしれないけど、景色が開けた良い場所もあるな。
自転車乗りの記憶はご都合主義なことが往々にしてある。
これは自転車による後天的な影響なのか、当人の先天的な問題なのかは分からない。

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天狗峠から追良瀬川まで下りきる。登り返しはこれで最後だ。

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雨でぬれたダートを走ったので、自転車は泥だらけになった...
変速は「パチッ!」→(approx.5sec)→「ガショッ!!」とレスポンスが良くない...
だがフルマッドガードのおかげで乗員の被害は膝下のみ。


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陽が傾いて気温が下がってくる頃、最後の峠に着いた。


●一ツ森峠から日本海へ

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西日で紅葉が良い感じの色に見える。
最後の峠で一服休憩してからダウンヒル。もう寒い。

ひょっとして白神ライン、舗装化が進んでいる?

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一ツ森峠を下って少し進むとダートが真新しい舗装路になった。
ここを4年前に走った時はダートだったはずだが、変わったなあ...

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実際、この日も道路工事で舗装の修復作業が行われていた。
舗装化と砂利道、道として管理するならどっちが低コストで収まるだろうか?
道を馴らして砂利撒くだけなら崩落時の対応考えると昔の方がよさそうだが。

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ゲートをくぐれば山岳区間は終了。
砂利道42kmとあったが、実際は40kmもないだろうな。

●笹内川沿いに日本海側の国道101号へ

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日本海と暮れ行く太陽
今日は県道317号の釣瓶落峠から白神ラインでひたすら山の中だった。
海の見える景色も良いな。

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白神ラインの石碑の前で記念撮影。
4年前、ここから弘前へアラヤMFBで白神ラインを走った。
走った道も、使った自転車も同じだけど、それぞれ4年も経つと色々変わるものだな。


●JR十二湖駅ゴール

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最後は国道101号を少し南下して十二湖駅から輪行。

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特急”リゾートしらかみ”の売店で買ったビール。
ブナから取り出した酵母で発酵させているという。
あまりに美味かったので追加で2本飲んだ。欲を言えば樽で欲しかった。

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リゾート白神は秋田駅まで、残りの区間は新幹線を使って帰宅した。


●跋文

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今回は北秋田スタート、西目屋二ツ井線と白神ラインで日本海側まで走り抜けた。
目当てにしていた二ツ井線と白神ラインはいずれも見事な紅葉が広がっていた。
コース総長は約120kmだが、半分以上は電波不通、酷道orダートだった。
白神ラインの公称42kmダートは走りやすく、舗装化もわずかに進んでいたが、
サイクリングする際は単独・複数行動に依らず補修用品の携行を推奨します。

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