
長野市近郊の山岳道路を行く
●序文
2020年10月2日、天候晴れ。長野市を起点に、10月に開通した湯沢林道を経由して毛無峠へ登った。
湯沢林道は走りやすく、毛無峠へ向かうにつれて景色が開ける最高の林道だった。
毛無峠の次は渋峠、さらに県道66号で笹岳峠を越えて小布施までサイクリングした。
長野は市街を少し外れれば標高2,000mを越える山岳地帯に行けるので楽しい。
●経路・行程概説
[諸表]
- 経路総長:102km
- 累積登坂:2,450m
- 未舗装区間:約14km
[道路名称]
- スタート:JR長野駅
- 国道406号~須坂
- 県道54,112号~高山村、福井城跡
- 林道湯沢線~県道112号
- 県道112号~毛無峠
- 県道112,466号~万座温泉
- 国道292号~渋峠
- 県道66号~笹岳峠,山田温泉
- 県道66号~小布施
- ゴール:長野電鉄 小布施駅
●行程記録
●JR長野駅スタート

当日は始発の新幹線で長野まで移動。
善光寺口前の広場で輪行を解除して出発。今日はアラヤMFB。
●国道406号で須坂方面へ


千曲川を越えて須坂、高山村方面へ向かう。
快晴、気温も程よい。サイクリングにうってつけの日。
●県道54号、112号。高山村の林道湯沢線入り口へ


須坂から県道112号で高山村に入ると登りが続く、
ある程度進んだら県道112号を離れて湯沢線の分岐へ入る。


湯沢林道の看板から荒れた道を数km進むと林道ゲートに至る。
役場に確認した通り、9月に閉まっていたゲートは開いていた。
●毛無峠/県道112号に続く湯沢林道


樋沢川に架かる橋の手前に湯沢林道起点の看板がある。
ここから毛無峠手前の県道112号まで約14km、ダートが続く。


平日のためか、林業作業の重機が働く音が聞こえた。
自転車の通行は珍しいようで、休憩してる作業員から「物好きだな」と言われた。
●快晴の湯沢林道を進む


序盤のダートは勾配緩めで重機で踏み固められた感じだった。
上の写真にある橋を越えた辺りで一般的な砂利の林道に変わった。
緑一色の林道、序盤はうっそうとした森林区間


10月初めで標高がそこそこあるので、もう紅葉が始まるかと思ったがまだ緑一色。
自販機やコンビニは無いが天然物はある


湯沢林道を登ると毛無峠から先、万座温泉か渋峠まで行かないと自販機すらない。
折よく沢沿いに山ブドウ、アケビが今にも落ちそうになっていたので回収。
アケビは実家近くの雑木林、蔵王エコーラインで食べたのより甘かった。
湯沢林道の登り勾配は概ね一定、快適なフラットダートを行く


長野の林道は志賀高原の丸山林道以来だが、湯沢林道は完全フラットダートで平和。
後半の県道112号手前で砂利が深いくらいで、ガレ場や深い轍は皆無。
登り中盤、山の地形が見渡せるように景色開ける





麓に広がる森林区間を越えて、そこそこ登ってきた。
なるほど名の通り、湯沢林道は破風岳~御飯岳の巨大な沢に沿っていた。
しかしスケール大きすぎて写真じゃ分からんな。現地に行くか地図を見ればわかる。
中盤~頂上付近では紅葉の色づき始まる



終盤近く、道脇に
ここらから天辺にかけては落ち葉もあり、黄葉~紅葉が始まりかけていた。
火の元・消火には細心の注意を払おう。
果たして山の頂上は快晴か曇りか?


県道112号まで4km弱の辺りだったかな?西から雲が流れるようになってきた。


雲の動きで日向と日陰の境界がスーッと動く。
晴れだと涼しいと感じるが、曇りだと寒く感じる。頂上は晴れろ。
終盤、御飯岳&破風岳~長野市街を見渡すパノラマビュー


湯沢林道の終点手前、断崖の道から最高の眺めが広がっていた。
山の向こうに長野市が見える。ここから市街まで絶対値で言えば距離は短い。
しかし、自転車だと”はるばる登って来たな...”と感じられる。


長野市街から視線を群馬方面に向けると御飯岳・破風岳が連なって見える。
今まで走った林道は眺望開けないものがほとんどだったが湯沢林道は違う。
快適なダート走行とスケールの大きな景色、両方を味わえる。
県道112号に合流して湯沢林道は終わり



山の麓、高山村から約14kmのダートを越えて県道112号に再度合流。
先月は林道が通行止めで112号一本でここに来た。
個人の感想としては林道の方が勾配が緩くエグみは無く楽しめると思う。
●県道112号で毛無峠へ
紅葉見事な毛無峠手前の山肌


毛無峠手前の山肌。
吹き降ろす風が強いのか一部は真っ赤に紅葉していた。
荒涼とした雰囲気の毛無峠




毛無峠から群馬側には、かつて栄えていたという硫黄鉱山跡が見える。
通行止めだが、道に頼らず地図とGPSに頼れば嬬恋村まで行けそうだな。


長野側は緑のカーペット広がる。
風が強い為か背の高い木は無い。


湯沢林道経由で毛無峠に来て、既に十分な満足感が得られた。
しかし、ここまで来たので渋峠にも行くことにした。
●万座温泉を経由して国道最高点の渋峠へ


2020/10月現在、火山警戒のため、自転車は草津温泉から渋峠に登れない。
そのため、長野側の湯田中、山田温泉、高山村方面からしかアクセスできない。


中央分水嶺、天候の境界を見る


渋峠の手前にある中央分水嶺。
分水嶺を境に、明確に天気が晴れ-曇りに分かれていて感動した。
しかし
色即是空、渋峠とは何か?


渋峠からは”無”の眺めが広がっていた。
(A)自分はこの写真は渋峠で撮った、ゆえに、(B)この写真は渋峠の眺め。
自分がアルツハイマーで(A)の事実を忘れた場合、この写真は渋峠の眺めじゃなくなるのかな。
論理クイズとか色即是空の考えは自分の知能じゃ理解できない。Siriに聞こう。


峠の視界は悪かったが、渋峠ホテルから先、横手ドライブイン方面は晴れていた。
当てにしていた渋峠ホテルの営業時間を逃したのでこの後含めて80km無補給となった...
●最後の峠、県道66号で山田牧場を越えて小布施へ
山田牧場への道、笹岳峠の登り返しがある


毛無峠、渋峠で十分満足したけど県道66号が開いていたので走った。
夕陽の山田牧場を見ようと思うも、手前に笹岳峠があるとは思わなかった。
林道含んで累積2,000m以上の登坂はさすがに疲れた。
夕陽の山田牧場。疲労&空腹状態で見る牛の姿


西日が差す牧場はなかなか神々しい感じだった。
だが朝食以降、柿ピー4袋とアケビの食事だったので乳牛が肉牛にも見えた。
一房の山ブドウを食べつつ(といっても実はほぼ無いが)、小布施方面に降りた。

日没後、小布施市内で夕食・温泉に入り休憩。
経験上、補給がおろそかになると疲労は長引く。明日は回復かねて緩く走ろうと決めた。
●小布施駅ゴール

長野市の宿へ行くにも疲れていたので小布施から輪行。
距離は100kmそこそこだったが、長いサイクリングだった。
●跋文

今回は長野市街を起点に湯沢林道で毛無峠、次いで渋峠、山田牧場を経由して小布施まで走った。
9月に通行止めだった湯沢林道を走ったが、今まで走った中でも最高の道だった。
比較的容易なダートと序盤から終盤にかけての景色の変化と最後のパノラマビュー。
文句無しの道だったが、渋峠と笹岳峠をセットにしたので思う以上に疲れた。
あまり欲張りすぎるのも考え物だが、もっと走れるように鍛えようか。
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