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山形の尾花沢から山刀伐峠を越えて鳴子へ行く



●序文

2018年10月15日、天候晴→曇り。
山形の山刀伐(なたぎり)峠から宮城の鳴子へサイクリングに出た。
松尾芭蕉は奥の細道で山刀伐峠を越えて出羽(山形)に抜けている。
当時は木々が生い茂り、昼なお暗い峠だったという。
治安と道が良くなった今は森林浴を楽しめる峠に変わった。

●経路概説


※地図クリックでルートラボリンク
【総距離】 45km
【累積標高】 650m

  1. JR大石田駅スタート
  2. 大石田~山刀伐峠<県道28号>
  3. 山刀伐峠~鳴子温泉<国道47号>
  4. JR鳴子温泉駅ゴール


●行程記録

当日は山形県の酒田駅から大石田駅まで輪行で移動。
昨日まで2日連続で登山を続けたので今日は休養行程。

●大石田出発、県道28号を行く

大石田駅で輪行を解除して県道28号を進む。
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市野々で県道28号をそれて山刀伐峠の旧道を行く。
分岐の目印に”奥の細道”と書かれた看板がある。
県道28号をそのまま進むとトンネルで峠がショートカットされる。


●奥の細道 ~高山森々として一鳥声聞かず~

松尾芭蕉が歩いた時代、山刀伐峠は道筋がはっきりせず、
昼でも夜のように暗く、鳥も鳴かない薄気味悪い雰囲気だったとか。
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雲端につちふる心地して、篠の中分け踏み分け、
水を渡り、岩に躓いて肌に冷たき汗を流して、最上の庄に出づ。
おくのほそ道(全) 角川書店 編

標高こそ低い山だが、当時の峠越えは険しかったと伺える。
松尾芭蕉は脇差をさした案内人に導かれて越えたという。
当時は山賊でも出たのだろうか?

●危険な峠越えも今は昔、山刀伐を自転車で行く

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特にトラブルも汗をかくこともなく峠に到着。
山刀伐峠の最高点には芭蕉庵という小屋が立っている。

●山刀伐峠を歩く

道路の最高点から遊歩道を行くと10分ほどで山刀伐峠に至る。
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今は鳥も鳴いて道路を走る車の音が聞こえる山刀伐峠
昔のような苦労なしで越えられるようになった。

●国道47号 山形から宮城へ

山刀伐峠を越えた後は国道47号で宮城県へ入る。
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県境を越えれば大崎の鳴子まで下り一直線。

●紅葉の名所、鳴子峡 錦秋にはまだ早い

宮城、東北屈指の紅葉の名所、鳴子峡。
例年ならもう色づいている時期だが、今年は一週間ほど早かった。
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西日が差しても色づきは認められない。
三年前に来たときは見事な色づきに感動した。

●尿前の関 実はスパイ?松尾芭蕉が職質を受けた場所

ここ尿前の関(しとまえのせき)は人がめったに通らないため、
旅行者(芭蕉)がわざわざ通るのを関守がいぶかしんだという。
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この道旅人まれなる所なれば、
関守に怪しめられて、やうやうとして関を越す。
おくのほそ道(全) 角川書店 編
伊賀の出身ということで度々スパイ説が流れる松尾芭蕉。
おくの細道2,400km、エクストリームツアーに耐える脚を持つ超人。
俳人の才能だけでなく、肉体的にも只者ではない。

●鳴子温泉 破格の源泉かけ流し

尿前の関を見物後、鳴子温泉街に入った。
温泉神社の麓にある”滝の湯”に浸かっていった。
150円で源泉かけ流しという贅沢な温泉。
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温泉の泉質は10種といわれ、鳴子は8種※を備える。
豊富な湯量だけでなく、多彩な泉質を持つ偉大な温泉街。
※11種の内で8種の説もある。それがどうあれ鳴子は良い湯。

●JR鳴子温泉駅 輪行ゴール

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温泉につかった後は鳴子温泉駅から輪行で帰宅した。
今日は50kmも走ってないが、
昨日一昨日と登山続きだったので良い脚休めになった。

●跋文

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今回、尾花沢から山刀伐峠を越えて鳴子温泉までサイクリングに出た。
山刀伐から鳴子の道中は、至るところに松尾芭蕉の解説案内が出ており、
昔の道の様子を想像しながら走れる良いルートだと感じた。
いずれは隅田川近く、父の実家から諸国を回ってみよう。