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山形県の庄内、酒田と鶴岡をサイクリング



●序文

2017年3月17~20日、天候概ね晴れ。
まとまった連休がとれたので、日本海側を走るべくサイクリングに出た。
以前から山形の酒田へ行く用事があったので、ひとまず庄内まで輪行。
用事というのは以下の2つ

①日本発祥のカクテル”雪国”を飲む
②写真の鬼、土門拳の記念館へ行く

一見、自転車とは関係ない用事だが、出先の酒や食べ物を目当てに走ったり、
道中の写真を撮ったりするのが、自分のサイクリングの楽しみなので、結局は関係ある。

●経路概説



【総距離】 58km
【累積標高】 215m
【地形区分】 平坦
【道路状況】 交通量:少、路面:並
【景観性】

山形県の庄内地方、酒田・鶴岡の有名どころを繋いだ経路。
酒田の山居倉庫、飯盛山公園の土門拳記念館、
鶴岡の善宝寺、羽黒山をコースに入れて60km弱。
距離は短いが、土門拳の写真、善宝寺および羽黒山の社寺を見れば一日つぶれる。

●行程記録

 

・輪行で栃木から酒田へ

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3月~4月、大学生の春休み期間なので、青春18きっぷを使って輪行旅。
始発で栃木を出て、およそ12時間、日が暮れるころに山形県の酒田に着いた。
さっそく宿に荷物を置いて、飲みに繰り出す。

 

・雪国で"雪国"を飲む@ケルン

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酒田にある喫茶店”ケルン”
このお店、昼間は喫茶店だが、夕方からはバーになる。
ここのカクテル”雪国”を飲むために12時間、電車に揺られてきた。

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ケルンのご主人、井山計一さんが昭和33年に考案したカクテル”雪国”
約60年前に登録されたスタンダードレシピのカクテルを考案者の手、直々に飲める。
井山さんのお歳は何と90歳越え、現役でカウンターにいる。

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一杯目は、雪国
ウォッカベース
ホワイトキュラソー、ライムジュースをシェイク。
スノースタイルのグラスにミントチェリーを沈める。
ウォッカのすっきりした感じに柑橘系の香りと甘さがよく合う。

二杯目は、ボサノヴァ・デイジー1980
ラムベースのカクテル。(これも井山さん創作品)
ベースはバカルディのホワイトラム。
オレンジキュラソー、レモン、グラナデン。
以上をシナモンスティックでステア。
ラムとオレンジ、レモン系の組み合わせに外れはない。
シナモンもいいアクセントになる。

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三杯目は、マティーニ
ジンベースカクテルのド定番。いわゆるカクテルの王様
007とは逆に、シェークではなくステアで。
ドライジンにベルモットの苦味がいい塩梅で効く。
キリッと冷えたうちにいただく。

四杯目は、マッカラン12年
冷たい酒が続いたのでチェイサーはお湯にした。
ダブルカスクという、二つの樽をつないだ熟成樽に入れたもの。
ストレートで飲んでも口当たりが柔らかく、普段飲んでるものと違った。
煙っぽさはなく、果実的な風味が強い。癖なくスーッといける。

五杯目は、テキーラ・サンライズ
スタンダードでは、テキーラベースのロングドリンク。
ケルンでは、オレンジジュースが少なめでショートスタイルだったか。
ロングで醒まそうと思いきや、なかなかの誤算だった。

以上、4種のスピリッツにウイスキーを飲んで大いに満足した。
帰りしな、ちょうどカウンターの団体客が出て行った。
カウンターに移って酔い覚ましにコーヒーを注文。

「お酒強いようですが、バーテンダーですか?」と聞かれる。
「え?いえいえ、ただの酒好きです。」

ご主人の井山さんから、雪国や昔の事についてお話を聞かせてもらった。
写真をお願いすると、カウンターに誘われてツーショット。
思いがけず長居してしまったが、とても良いお酒だった。
これで五千円いかないのは破格。


 ~酒田サイクリング 完 ~


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・山居倉庫を歩く

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到着早々、酒で満足したので、翌日は7時くらいから緩いサイクリング開始。
まずは酒田の山居倉庫を巡る。

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山居倉庫は、米穀倉庫として明治に作られたそうだ。

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二重屋根にして断熱性、風通しをよくしている。
古い建築の工夫は見ているだけで面白い。

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雪国によく見る雪よけ。
金沢の兼六園にもあったな。

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倉庫裏には、がっしりしたケヤキ並木。

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たまには毒気のないモノトーンの写真が撮りたくなる。


 

・写真の鬼、土門拳記念館

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酒田に来た第二の目的地がここ、土門拳記念館。
飯盛山公園の中に建つ近代的な建物。

昭和に活躍した写真家、土門拳。
報道写真、市井のスナップ、著名人のポートレート、
ライフワークとなった仏閣・仏像の写真など、数多くの展示が見られる。
写真好きが酒田に来たら寄るべし。

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直筆のメモ帖。
土門拳はメモ魔だったらしく、酒の席でもメモを手放さなかったとか。

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報道支給品のニコンSP
う~ん、いかにもな機材だ。組紐ストラップが渋い。
撮影スタイルといい、木村伊兵衛のライカと対照的。

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写真集で見るのと違って、全紙に伸ばされた写真はやはり迫力があった。
土門の写真は、張り詰めた緊張感まで写されているようで感動した。
ブレない姿勢が伝わってくる。


 

・古寺巡礼、善宝寺@鶴岡

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酒田での目的は果たしたので、後は鶴岡まで行って本日は終了。
道中、善宝寺という立派な寺が見えたので寄り道。

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仁王門の像、迫力の体躯

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円窓に屋根瓦

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五重塔

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うねる屋根

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敷地はかなりの広さで、小一時間ほど歩き回った。


 

・古社巡礼、五重塔@羽黒山

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寺の次は、神社に向かう。
東の奥参りの一つ羽黒山の大鳥居をくぐる

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羽黒山は杉並木で有名。
花粉症の時期だが残雪の具合から、まだ飛散量は少なそう。

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残雪の時期、境内で足元を誤ると膝まで埋もれる。

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杉並木に溶け込む五重塔(国宝)

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国宝の割にはオープンに展示されている。
経年の汚れが目立たないのが不思議。

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羽黒山を上ろうと思ったが、石段が雪で覆われていたので断念。

 

・輪行で鶴岡から新潟へ

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最後は鶴岡に戻って輪行。
元を取った18きっぷに特急料金を追加で、”きらきらうえつ”に乗る。

今日はこれから新潟へ向かい、明日からは佐渡を周遊する。
駅のホームに入った瞬間、雷鳴が響いて夕立になった。
天気に関しては運が良い。今年はこの調子で行こう。

●跋文

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今回、山形県の酒田・鶴岡を回るサイクリングに出た。
前夜の飲酒を考えて短距離に抑えたが、多くの見どころに満足できた。
次回、酒田に来たときは鳥海山へ登るときか。

ところで、ここ最近は1日200kmを越えるサイクリングをしていない。
ずっと享楽的に走っていると、長距離は良いのか?という血迷った気が出てくる。
そういう病気にやられた時は、ブルべというイベントに出ると回復する。
とりあえず4月末開催の宮城300kmに出てみよう。
道中で名産を食べながら、三春を走れば楽しいことだろう。