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瀬戸内海の島々を自転車で行く。
まずは広島県の江田島から呉を結ぶ”かきしま海道”



●序文

2016年8月18~19日,天候晴天・猛暑の広島。
東日本が曇天or雨なので,代わりに中国地方まで足を延ばしてみた。
広島を起点に,瀬戸内の島々を結ぶ,以下3つのサイクリングを実施。

 ①かきしま海道 (広島の江田島~呉市:約75km)
 ②とびしま海道 (呉市~愛媛の岡村島:約35km)
 ③しまなみ海道 (愛媛の今治~広島の尾道:約75km)

当初の目当ては,自転車乗りのメッカともいえる”しまなみ海道”のみだった。
ところが広島へ行く道中,ネットで”かきしま海道”と”とびしま海道”の存在を知り,
面白そうなので3つの瀬戸内海道を行くことにした。

頑張れば1日もかけずに3つの道を走り切れるが,そこは穏やかな瀬戸内の海
せっかちに行ってはもったいないので,のんびり2日かけて巡ることにした。


●経路概説

瀬戸内海道の一本目はかきしま海道。

”かきしま海道”は広島市南部の江田島から呉市までサイクリングロードとして結ばれている。
距離は約70km。巡る島は,広島市の江田島と呉市の倉橋島の二つ。

”しまなみ海道”のネームバリューに隠れがちだが,
しまなみに負けず劣らず,穏やかな瀬戸内を眺められる良ルート。
自然に加え,呉市では鉄工場や海自の船・潜水艦など巨大人工物も拝める。

サイクリングロードは,江田島の切串港から呉市まで,
道路に青いラインが引かれているので,迷うことなく快適に進める。

海に浮かぶ島々を行くので,以下の2区間はフェリーor渡し船が要る。

 ①広島の宇品港~江田島の切串港
   上村汽船が30分おきに出港。大人460円,自転車190円
 ②倉橋島~呉市
   音戸の渡し船が不定期に出港。大人+自転車込みで150円

宇品~切串は30分ほど,音戸の渡しは5分ほど。
短い時間だが,サイクリングと共に船旅も味わえる。特に音戸の渡しは風情あり。

●行程記録

 

・広島市宇品港から江田島市切串港へ

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前日,東京から青春18きっぷで広島まで移動。
半日を越える鈍行旅は尻の肉がえぐれる。サドルのほうがいくらかマシだぜ。

てっとり早くお好み焼き食べて翌日に備える。
はずが,酔っ払いに絡まれてジョッキ3杯,思いがけず夜更かししてしまった。
いきなり<自主規制>な話題ばっか振ってくる,広島人面白いな。

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翌朝は5時半起床。
広電走る市街を南下して,宇品港へ。

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宇品から切串は人460円+輪190円=650円。
久しぶりの船旅でテンション上がる。

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朝ごはんは,山賊むすび(通常の3倍の体積)と広島菜のおにぎり。
広島のセブンイレブンはご当地ものの握り飯を売っていた。

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7時10分,始発で出港

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およそ30分の船旅で切串港に着く

 

・江田島を行く

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切串から呉まで,約74kmの道
このブルーラインに沿って行けば着く。

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陽が燦々と降る瀬戸内海

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日陰と日向で目のF値調整が忙しい

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出発早々,海岸沿いの道が工事中...
迂回路を教えろォ!と ペイズリー・パーク googleマップを立ち上げる。

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迂回路は坂道...

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迂回路は林道...

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だが見晴らしは素晴らしい。

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テクニカルなカーブとダウンヒルを越えて

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正規のルートに復帰
ひたすらブルーラインを進む

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瀬戸内の陽気

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瀬戸内の海面

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泳げないので海は見るだけ。

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しばらく行くと,人口建造物が見えてくる

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ここは船の解体場か
今日の板場には目ぼしいものは無かったが,潜水艦の解体もやるらしい。
作業現場から「うわーっ!」と不穏な声が聞こえたが。
もしかして労災?

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重油タンクの脇を進む

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船の真横を進む
やはり巨大人工物は滾るな

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早瀬大橋で倉橋島へ渡る

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さらば江田島


 

・倉橋島を行く

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こんにちは倉橋島

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早瀬大橋を渡れば呉市まで20km強

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!? 熱波で家がとろけている。
さすが瀬戸内の陽気,家をも溶かすとは...
この日の気温は36度越え,カラッとしているけど日射は半端ない。

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清盛塚を越えると音戸大橋が直上に見える

 

・音戸の渡し

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かきしま海道のブルーラインをたどると,
音戸大橋には行かず,船場に着く。泳ぐのか?

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なるほど,ここは渡し船を使うんだな。

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船賃は大人100円,自転車150円か。
おや,自転車の方が高い?

 「すみません,向こう岸までお願いします」

と言っても船場には誰もいない。休み時間なのかな?

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桟橋を眺めていると,向こうからポンポン船みたいな船が動き出した。

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こちらにやってきた渡し船
そうか,片岸にしか船頭はいないのか。

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料金は船頭に直接渡すシステム
大人100円と自転車150円で250円,と思いきや,自転車込で150円だった。

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束の間,波に揺られる。さらば倉橋島

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日本本島に上陸
5分にも満たないけど,渡し船なんて今日日なかなか味わえない。
この音戸の渡し,どのくらい使われているのだろうか。

 

・呉市を行く

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呉市へ入ると海よりも工場やドックが目につく

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蜘蛛と鐡工場

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無骨かつ巨大,こういうのもいいものだ

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物々しい船場に着いた

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潜水艦がスクリュー回してアップを始めている!

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格子越しに撮影

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1/1スケールモデル建造中

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大和生誕の地,呉に到着。
約75kmのかきしま海道はここで終わり。あとは呉をうろつく。

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鉄のクジラが居る町,呉。

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クジラカツカレーを食べて一段落。
食べ終わったら”とびしま海道”へ行こう。

●跋文

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シン・ガメラ
広島県が整備した瀬戸内の島々を巡るサイクリングロードの一つ,かきしま海道。
フェリーを併用して距離は約75km。今回は一部不通だったが,道はよく整備されていた。
後日走った”しまなみ海道”よりも起伏が少ないと感じたが,数値的には同じかむしろ高い。
不思議だが”しまなみ海道”のほうが,島々を結ぶ橋上に登る回数が多いせいかな。

8月の夏真っ盛り,凄まじい日差しの下,瀬戸内の海沿いを気持ちよく快走できた。
自然以外にも船の解体場,呉の造船所など,巨大建造物を間近に見ることができた。
距離的には”しまなみ海道”と同じくらいで半日あれば存分にめぐることができる。
瀬戸内の自然に加えて,巨大人工物を見たいなら走るべき。