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秋田内陸の河原毛地獄へ行く。



●序文

2019年8月14日、天候晴れ。
秋田の湯沢地方にある川原下地獄へサイクリングに出た。
川原下地獄は青森の恐山、富山の立山に並ぶ日本三大霊地。
温泉や火山ガスがボコボコ吹き出る真っ白な地獄地帯。

●経路・行程概説


・経路総長 : 110km
・累積標高 : 1,425m


●行程記録

●JR新庄駅スタート

この日は山形県北の新庄駅スタート。
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駅構内には歌舞伎の山車が展示されている。
8月末の新庄まつりで街を練り歩くのかな。


●真室川沿いに北上、湯沢へ向かう

新庄を北上すればすぐに秋田県の湯沢に出る。
交通量の多い国道13号は避けて、真室川沿いの県道35号を行く。
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快晴の夏日。
関東よりもカラっとしている東北の夏。


●道の駅”おがち”で休憩後、県道51号へ

昼過ぎ、道の駅”おがち”で飲み物補充。
気温は30℃越え、さすがに暑くなってきた。
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道の駅から、県道51号で川原下地獄方面を行く。
ここから地獄まで商店はほぼ無かった。



●三途川を渡る(高松川)

県道51号である程度登ると三途川渓谷に至る。
橋のたもとで閻魔大王に出迎えられる。
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生きたまま三途の川を越える。(高松川とも言う)
ここを越えるのは2回目だが、前回よりも水量が少ない。


●!!ガス注意!!@泥湯温泉街

三途川を越えてさらに登ると泥湯温泉街に至る。
温泉街周辺は高濃度のガス噴出地帯が多く、至る所が駐停車禁止になっている。
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昨日走った福島の浄土平もガス注意とあったが、泥湯に比べれば無臭。
地獄の釜みたくボコボコ熱湯とガスが吹いている。
大地のパワーで道路が岩盤浴のように熱っぽい。

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泥湯温泉は高松川の沢に位置するため、地形的にガスが溜まりやすそう。
風の無い日に窪地は厳禁だろう。


●地獄に及ぶ脅威の販売網、ババヘラアイス

秋田の夏の風物詩、ババヘラアイス。
夏が来ると沿道に自然発生するアイスの露天商。
まさか地獄にまで販売網が伸びるとは恐れ入った。
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奪衣婆 職人ババによるアイス。
バナナとイチゴ味のアイスを交互にヘラで寄せて作る。
職人の平均年齢は70代らしい。


●川原下地獄、緑の山中に浮かぶ白い山肌

アイスを食べたら川原下地獄を見物。
緑深い山々の中に、地獄地帯の真っ白な山が異様に目立つ。
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写真の撮り方によっては日本じゃない場所、
もっと言えばこの世じゃない場所にも見える。
一眼レフを持ってこなかったことを後悔。


●川原下地獄を歩く

白い川原下地獄の遊歩道を行く。
ガスは臭うが、立入禁止の看板を越えなければ命はたぶん大丈夫。
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山の緑と地獄地帯の白で異様なコントラスト。
20分ほど地獄の遊歩道を下ると温泉の滝に至る。


●地獄の下層にある川原下大湯滝

川原下地獄の下層に位置する川原下大湯滝。
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滝湯は胃液と同じくらいの強酸性(ph1.4)で目や傷口に容赦なく染みる。
効能には皮膚炎・外傷とある。これも容赦ないな。
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滝壺は天然の露店風呂、夏になると良い湯加減になる。
源泉温度は93℃。滝の落差が絶妙と言える。


●川原下地獄から湯沢方面に戻る

温泉の滝壺で足湯をした後は湯沢方面に戻ることにした。
往路と道を変えて310号を選択。
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地獄地帯を振り返ると虹が立った。
地獄にも虹は立つと知って感動した。

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県道310号沿いには山葵沢地熱発電のパイプが並走する。
今年5月から稼働を開始した新築の地熱発電所。
・仙台火力発電   46.8万kW (宮城の火力)
・八丁原地熱発電  11.2万kW (九州にある日本一の地熱)
・山葵沢地熱発電    4.6万kW (秋田にできた新星)


●目覚めの清水@五叉路公園

県道310号から国道108号に乗り換えると交差路に湧き水があった。
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看板によると、雪解けの水が岩石の層に越されて湧出しているという。
目覚めの清水というだけあり、夏でもキリッと冷えている。


●院内駅ゴール。電車の時間まで「ほっと館」で風呂に入る

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国道108号から13号に合流、昼間走った区間に戻った。
陽が暮れたので、この日は院内から輪行を決定。
電車が来るまで駅近くの銭湯に入り、時間をつぶした。


●跋文

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今回は秋田県の内陸部にある日本三大霊地、川原下地獄へサイクリングに出た。
大同2年(807年)に僧侶が霊場・修験地として開いた川原下地獄。
令和0年(2019年)は天然温泉に入れるレジャー地になっている。
利用目的が修行→行楽に変わっただけで、1,200年以上枯れない温泉ってすごい。
地熱は偉大!